関西電力が福井県に示した使用済み核燃料の「県外搬出」計画について、資源エネルギー庁と関電が10日にあらためて県に対して説明することになった。県と関電が5日、発表した。関電が6月に県に報告した搬出計画には「不十分」との批判が出ており、再説明の内容に注目される。
県によると、中村保博副知事がエネ庁の山田仁・資源エネルギー政策統括調整官、関電の水田仁・原子力事業本部長から説明を受ける。関電の計画について、6月に県がエネ庁に指摘した意見に対する国の回答と、関電の使用済み核燃料の対策の説明が予定されている。
関電の森望社長は同月、杉本達治知事と面談。電気事業連合会が行う実証実験に参加する形で、高浜原発(高浜町)に保管している使用済み核燃料の一部をフランスに搬出すると報告した。
関電は、今年末までに中間貯蔵施設の計画地点を確定することを約束していたが、森社長は面談の際、フランスへの搬出を「計画地点の確定と同等の意義がある。福井県との約束は果たされた」と一方的に主張した。
その後、エネ庁の幹部が県を訪れて関電の考えに同調する姿勢を示した。県側からは、今回の計画でなぜ約束が果たされたことになるのかが分かりにくいなど、4点の指摘を受けた。
10日の再説明に県側が一定の理解を示せば、杉本知事は原発が立地する市町の首長や県議会の意見を踏まえ、関電の考えについての評価を示す見通しだ。関電は計画地点確定の約束が果たされなかった場合、再稼働させた高浜1・2号機、美浜3号機を止めるとしている。【朝日新聞】