東京電力福島第一原発の処理水放出をめぐり、中国外務省の汪文斌副報道局長は29日の定例記者会見で、「日本の中国大使館や総領事館などが嫌がらせを受けている」との主張を展開した。日本への大量の嫌がらせ電話についての質問には答えておらず、中国の主張と異なる情報には取り合わない姿勢を鮮明にしている。
24日の放出開始後、中国から日本国内の旅館や飲食店、公共機関などへの嫌がらせ電話が殺到。東電だけでも4日間に中国の国番号「86」から発信された電話が6千件以上にのぼった。
林芳正外相は29日の記者会見で、北京の日本大使館に向かってれんがの破片が投げ付けられる事件があったと明らかにした。関係者によると、破片は大使館の外壁の外に落ち、被害はなかった。【朝日新聞】