原子力規制委員会は14日、北陸電力が再稼働を目指す志賀原子力発電所2号機(石川県志賀町)に関する安全審査の会合を開いた。原発敷地から約1キロメートルの場所にある「断層O(オー)」について、北陸電側が活動性がないとする調査結果を示し、規制委も「総合的に判断して後期更新世(約12万〜13万年前)以降の活動は認められない」とし、活断層ではないと評価した。
北陸電力は志賀原発2号機の再稼働を目指している(石川県志賀町)
断層Oは約270メートルの短い断層だが、近くに活断層の「福浦断層」が存在する。活断層であれば、原発の耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)に影響が出る。会合では北陸電が断層を横断する鉱物にズレや変形がないかを見る鉱物脈法での調査をもとに活動性がないと主張した。
志賀原発2号機をめぐる審査では、3月の審査会合で規制委が原発敷地内に活断層がないという北陸電の主張を認めた。今回で原発から半径5キロメートル以内の断層についての評価を終え、今後は海域を含めてさらに広い範囲の断層について議論する。
北陸電は同日の会合について「福浦断層や断層Oの活動性評価について規制委におおむね評価をいただいた。今後の審査にも適切に対応したい」とコメントした。【日本経済新聞】