原発の60年超運転を可能にしたGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法の成立に伴う規則などの改正案について、原子力規制委員会は5日の定例会で、地震や津波の審査を担当する石渡明(いしわたりあきら)委員が反対したため、4対1の多数決で了承した。
石渡氏は2月に審議した法案本体にも「運転期間(の規制)を法律から落とすことになり、安全側への改変とは言えない」と反対し、多数決で了承していた。規制委は委員5人の全会一致で意思決定するのが通例で、異例の事態になっていた。
石渡氏は規則の改正案を議論する検討チームの会合に参加しており「それなりに意見を述べて(規則案に)反映された部分もあると認識しているが、了承することはできない」と述べた。
山中伸介委員長は記者会見で「(石渡氏は)技術的な面についての反対ではないと思うので、原子炉に対する安全規制はこれからも遂行していくことはできる」と話した。
規則の改正案は、運転開始から30年以降、最大10年ごとに事業者に作成を義務づける長期施設管理計画の内容などを盛り込んだ。今後、意見公募を経て規制委が正式に決定する。【毎日新聞】