運転開始から48年を超え、国内で最も古い原発の関西電力高浜原発1号機(福井県高浜町)で22日、原子炉容器内に核燃料を入れる作業が始まった。関電は7月28日の再稼働を目指す。運転開始から40年を超える老朽原発の再稼働は東京電力福島第一原発事故後、美浜原発3号機(美浜町)に続き2例目となる。
午前8時、燃料プールにあるウラン燃料棒157体を原子炉容器に入れる「装荷」を開始。25日に終える予定という。
高浜1号機は美浜3号機より約2年早い1974年11月に運転を開始。第一原発事故前の2011年1月に定期検査で停止した。予定通り稼働すると約12年半ぶりとなる。再稼働にあたり関電は、これまでに運転経験のある社員やOBに加え、協力企業やメーカーの社員など延べ1900人の特別態勢で設備を点検していくという。
関電は8月28日に営業運転を始めたい考えだ。今後、国内で2番目に古い高浜2号機についても再稼働の準備を進めており、9月15日の再稼働を目指す。高浜1、2号が稼働すると、県内に所有する原発全7基が「フル稼働」となる。
高浜1、2号機は16年6月に原子力規制委員会から20年間の運転延長の認可を受け、21年4月に福井県が再稼働に同意した。当初、今年6月に再稼働する予定だったが、規制委から施設の火災防護に不備があると指摘されたことを受け、追加工事をしていた。【朝日新聞】