原子力規制委員会は22日、日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(茨城県)の審査書案を、24日の定例会で議論すると発表した。了承されれば、国内唯一の高速炉が事実上、審査を通過することになる。
常陽は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料をナトリウムで冷やす研究炉。1977年に運転を始めたが、炉内の装置が破損するトラブルで2007年から停止している。原子力機構は17年に規制委に審査を申請し、25年3月の再稼働を目指している。
高速炉を巡っては、原子力機構の原型炉「もんじゅ」(福井県)はトラブルや不祥事が相次ぎ、16年に廃炉が決まった。実験炉の常陽が国内唯一の原子炉となり、開発は難航している。一方、政府は高速炉を次世代原発の一つに位置づけ、今後も開発を進める計画だ。【】〈〉】