東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1号機原子炉圧力容器を支える鉄筋コンクリートの土台が損傷していた問題で、原子力規制委員会は10日の定例会合で、核燃料が入っていた圧力容器の落下などに備え、東電に求める緊急時の対策について議論する方針を決めた。
【関連記事】東京電力の危機意識の薄さ鮮明…福島第一原発1号機の原子炉土台損傷 緊急時対処も具体策は先送り
山中伸介委員長は定例会で「規制委としてどのように対応するか、明確にする必要がある」と述べ、事務局に論点を示すよう指示。近く定例会で議論する。
定例会後の会見で山中委員長は、土台が支えきれずに圧力容器が落下した場合、外側の格納容器も破損する可能性があると指摘。数カ月かけて耐震評価を実施するとした東電に対し、「早く対応してほしい。何が起きているのか分からないのに(耐震評価は)意味がない」と批判し、「緊急時に周辺環境へ影響が出る可能性があるのかなど、具体的な検討項目を東電へ早急に示したい」と述べた。
土台は円筒形(厚さ1.2メートル)で重さ440トンの圧力容器を支えている。3月のロボット調査で、土台内側の壁が全周にわたって損傷し、内部の鉄筋がむき出しになっていることが分かった。【東京新聞】