東京電力は25日、福島第一原発1、2号機の間にある高濃度に汚染された配管の撤去作業を6日ぶりに再開したが、切断装置のブレーカーが落ちて機器が停止し、撤去できなかった。原因は調査中で作業の再開は未定という。
東電によると、25日午前1時40分ごろ、大型クレーンでつるされた切断装置が、配管の切断地点で固定されたまま停止。作業員2人が現場に向かい、高所作業車を使って切断装置を調べたところ、ブレーカーが作動していた。作業員は最大0.47ミリシーベルト被ばくした。
19日には切断装置の部品が障害となって切断地点に入れず、失敗したばかり。原子力規制委員会の山中伸介委員長は25日の記者会見で「あの程度の配管が切れないというのは、東電の現場力の無さだ」と批判した。
配管は事故時の排気(ベント)に使われ、高濃度に汚染。1号機使用済み核燃料プール内の燃料取り出しに向け、建屋にかぶせる大型カバーの設置工事の障害となるため、撤去する必要がある。撤去作業は昨年3月に始まったが、装置の不具合などで失敗が続き、計約135メートルのうち約12メートル分を撤去したのにとどまる。【東京新聞】