東京電力は24日、福島第1原発1号機の原子炉圧力容器の底に溶け落ちた燃料デブリの熱によって複数の穴が開いた可能性があると、原子力規制委員会の事故分析検討会で報告した。
東電は3月下旬、事故後初めて水中ロボットを使って原子炉真下の様子をカメラで撮影した。検討会で東電は「本来は写るはずの場所に構造物からの反射がなく、一部が黒い空間のように見える場所がある」と説明。デブリの熱で圧力容器の底に穴が開いた可能性があるとの見方を示した。
また、別の映像では圧力容器底部にある制御棒を動かす「制御棒駆動機構」の一部が損傷したり脱落したりしていたことも確認された。落下せずに残ったままの同じ装置には、デブリが固化したとみられる塊が付着していたという。
これまでの事故分析で、1号機は冷却装置の停止で炉心の熱が急上昇し、燃料などが溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)を短時間で起こしたとみられ、東電は「今回の内部調査はこれまでの推定を裏付ける結果だ」としている。【産経新聞】