東京電力は14日、福島第1原発1号機の原子炉圧力容器を支える土台(ペデスタル)内部を撮影したパノラマ画像を公開した。円筒状の土台内部の壁が、ほぼ全周で損傷し、鉄筋がむき出しになっていることが判明。東電は、ほぼ全周でコンクリートが消失していた可能性が裏付けられたとの見解を明らかにした。
東電は内部の壁から厚さ0.6メートル、高さ1メートルのコンクリートがなくなったと推定し、土台の耐震性を再評価する方針だ。再評価は数カ月かかる見通しで、東電は「これまでも強い地震を経験しているが、土台の機能は維持されている」としている。
東電は14日、原子力規制委員会の会合でパノラマ画像などを示した。規制委側は「耐震性が十分でなかったとしても、外部に影響を及ぼさないことに重点を置きたい」と指摘した。東電によると、土台は内径5メートルで、壁の厚さは1.2メートル。耐震性の再評価は壁の約6分の1が完全になくなり、残りは厚さが半分になったとの条件で行われる。
画像は、3月に実施した1号機原子炉格納容器の内部調査で水中ロボットが撮影。東電はロボットの映像をパノラマ画像に処理するなどして、ロボットが到達できなかった場所の土台の状態を確認した。調査したほかの部分と似た状態で、コンクリートの一部がなくなり、鉄筋や鉄板が見えていた。底部や壁面には堆積物などがあった。【福島民友新聞】