原発から出る使用済み核燃料の再処理工場(青森県六ケ所村)の稼働に必要な審査で、日本原燃が昨年末に原子力規制委員会へ提出した申請書に、多数の誤りがあることが分かった。約6万ページの申請書のうち、約3100ページに落丁や記載漏れなどがあった。規制委は14日、原燃の増田尚宏社長を聴取する。
誤りは3月28日の審査会合で原燃が報告した。申請書は約2万5000点の設備について、詳細な設計や工事計画を記したが、全体の約5%に当たる約3100ページに誤りがあった。
内訳は1ページ分の記載がまるごと抜け落ちた落丁が約400ページ、記載漏れがあったのが約800ページ、必要な計算結果を記していないなどの誤りが約1000ページ、決められた様式を守らなかった不備が約900ページだった。
原燃はこの申請書を昨年12月26日、規制委に提出。今年1月の審査会合で規制委側が多数の誤りがあることを指摘し、原燃が調査していた。誤りの原因について、原燃は短期間で作業を急ぎ、書類のチェック態勢が不十分だったことなどを挙げた。
規制委は5日の定例会合で、原燃の組織運営に問題があるとして増田社長を呼び、管理態勢の課題などを聞き取る方針を決めた。【東京新聞】