福島第一原発事故の検証を目的に、新潟県が独自に設置した3つの委員会。これを総括する委員会は県と池内了(いけうち さとる)委員長との考えの隔たりが大きく、2年以上開催されていません。委員長の任期が31日と迫る中、花角知事は29日、「何か別のやり方を考えないといけない」と述べました。
【花角知事】「お互いの考えは変わらなかった」
これに対して、池内 了委員長も午後、急遽会見を開きました。
【検証総括委員会 池内了 委員長】「解任と解釈しています」
2018年に発足した検証総括委員会。花角知事は委員会の役割を、3つの検証の「とりまとめ」だとしています。
しかし、池内委員長は柏崎刈羽原発にどう生かすかまで議論すべきで、検証について県民に意見を聞くべきとしています。
これらの意見の違いから委員会は2年以上開かれていません。
【池内 委員長】「福島原発の事故の反省の上にたって、次の柏崎刈羽原発にどう生かされているかということまで述べないと駄目であろうと。しかし、県は柏崎刈羽原発のことには触れてくれるなと。県知事なり、県の幹部の方々は本当に県民のことを考えてやってるのかと疑問は持っています」
ただ、池内委員長の主張に対し、知事は柏崎刈羽原発の安全性の議論は技術委員会で行っているなどとし、「県からお願いしたことではない」としています。
28日、県の幹部が池内委員長のもとを訪れましたが、議論の進展は見られなかったということです。
【花角知事】「池内委員長の考えは、取りまとめるということに加えて、お願いした土俵とは別の土俵をお考えで、どうしてお願いしたことがやっていただけないんだろうと、私としても理解できないでいる」
検証総括委員会の委員全員の任期は31日まで。
花角知事は「状況が変われば再度任命することもあり得る」としましたが…
【花角知事】「今アイデアはない。状況の変化が見込めないなら、何か別のやり方を考えないといけない」
池内委員長は、花角知事の会見を「『解任』と受け止めた」とし、独自にまとめている総括を今後発表する意向を示しています。
【新潟放送】