全国で唯一、県庁所在地に立地し、中国電力が再稼働をめざす島根原発2号機(松江市)について、島根県と鳥取県の住民4人が10日、地震の想定や避難計画が不十分だとして、運転の差し止めを求める仮処分を広島高裁松江支部に申し立てる。住民らが2日、記者会見で明らかにした。
住民らによると、断層のすぐそばに原発敷地があるのに、原発が備えるべき揺れの大きさである「基準地震動」を策定する際、十分な余裕が考慮されていないと主張。火山に対する想定が不十分なうえ、人口密集地から隔離する要件も満たしていないなどと訴える。
島根原発2号機は、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)。定期検査のため、運転を停止しているが、2021年9月に規制委の安全審査に「合格」し、地元自治体は再稼働への同意を表明。中国電は2024年1月末ごろの再稼働を想定しているという。
島根原発2号機を巡っては、地元住民らが中国電を相手取り、運転差し止めを求めた訴訟が広島高裁松江支部で係争中。一審・松江地裁は10年、耐震安全性は確保されているなどとして住民側の請求を退けた。
【朝日新聞】