次世代原発の推進や既存原発の60年超運転を認めるグリーントランスフォーメーション(GX)に向けた基本方針が閣議決定された10日、市民団体メンバーらが東京・永田町の首相官邸前で抗議の声を上げた。
国際環境NGO「FoE Japan」など複数の団体から約50人が集まり、「原発回帰は反対だ」「福島の事故を忘れるな」などと声を張り上げた。同NGOは60年超運転などに反対する約7万5000筆の署名を集め9日に経済産業省と原子力規制庁に提出している。
東京電力福島第1原発事故からまもなく12年を迎える。駆け付けた福島県郡山市出身の松本明子さん(55)は「原発はリスクが伴う。方針は原発事故後の政策の大転換だ」と憤った。
若者の声の政治への反映を目指す一般社団法人「日本若者協議会」も方針への反対意見をまとめており、室橋祐貴代表理事(34)は「国民とのコミュニケーションの場を設けずに決定した。放射性廃棄物の管理などで将来に責任を回される若者世代の意見を聞いてほしい」と訴えている。
【毎日新聞】