北陸電力(富山市)の金井豊会長と松田光司社長が五日、新年あいさつで金沢市の中日新聞北陸本社を訪れた。木村博喜執行役員石川支店長が同行した。
−昨年は原子力規制委員会による志賀原発2号機(石川県志賀町)の二度目の現地調査があった。
松田社長 敷地内断層の審査は大詰めを迎え、論点が絞られてきている。一つ一つステップを踏み、早く進めたい。敷地内断層は第一歩だが、これが不適合だと立地不可になるので、(クリアできれば)大きな一歩だ。プラント関連など、他のさまざまな審査も同時並行で進めてもらえるよう原子力規制庁にお願いし、前向きな回答をいただいている。合格した電力会社の先例を参考に審査のポイントを勉強し、一日も早い再稼働を目指したい。
−早期の再稼働が実現した場合、電気料金を引き下げる可能性はあるか。
松田社長 志賀2号機は出力が大きく、稼働の有無で経営環境が随分違ってくる。(稼働できれば)供給力の前提が変わるので、いろいろな項目を総合的に判断し、料金を決める。
−昨年末、政府は原発の運転期間六十年超への延長や次世代型原発への建て替えの方針を決めた。
松田社長 われわれにとっては良い方向。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー安全保障の問題がクローズアップされ、カーボンニュートラルの観点からも原発が社会に貢献できる環境づくりが進んでいる。
金井会長 これまでは脱炭素化に軸足が向き過ぎていたが、エネルギーセキュリティーにも焦点が当たってきた。非常に良い方向性で、評価している。
−四月の電気料金値上げの主因となった石炭価格高騰の足元の状況は。
松田社長 相変わらずウクライナ侵攻前に比べて四、五倍の水準で、高値基調で推移している。志賀原発の停止が続く中、主力電源は石炭火力であり、引き続き厳しい状況だ。国際情勢が緊迫化しており、早期の解決は見通せない。【中日新聞】