経済産業省が原子力発電所の「60年超」運転を検討していることを受け、原子力規制委員会は14日の定例会合で、運転期間の現行ルールに基づき延長認可を取った原発も、新たなルール下で認可を取り直す必要がある、との見解を確認した。
運転開始から40年を超えた関西電力高浜原子力発電所の1号機(右)と2号機(読売ヘリから)
運転開始から40年を超えた関西電力高浜原子力発電所の1号機(右)と2号機(読売ヘリから)
原発の運転期間の現行ルールは「原則40年、最長60年」で、最長60年の延長認可を取っているのは、関西電力の美浜原発3号機(福井県)と高浜原発1、2号機(同)、日本原子力発電東海第二原発(茨城県)の4基。規制委は運転開始から30年以降10年以内ごとに延長を認可する新ルールの導入を検討しており、施行後は現行ルールが撤廃されるため、4基は取得済みの延長認可が無効になる。
また、規制委は、運転開始から30~40年の運転中の原発についても、新ルールの施行日までに延長認可を取る必要があることを確認した。認可を取っていない場合は運転できなくなる。
ただし、現行ルールでは30年時点で経年劣化の評価が行われているため、山中伸介委員長は会合後の記者会見で「(新ルール下で)認可されないことは想定していない」と説明。運転停止を求める事態は起きないとの見通しを示した。
山中委員長はまた、新ルールでの60年時点の審査について「原子炉ごとに経年劣化の特徴が出てくる。炉ごとに必要な点検をすべきだ」と指摘。厳しい内容になるとの見解を示した。【読売新聞】