いま福島第一原発では、来年春に計画される海への放出に向けて、放出に必要な海底トンネルなどの工事が進められています。
東京電力は9月6日、トンネルの掘削作業を報道陣に初めて公開しました。
【井上和之記者】「こちらは深さ16mの場所です。現在直径3mほどの地下トンネルを掘り進めていて、今後、あちらの機械で沖合1キロの海底につなげる計画です」
公開されたのは、福島第一原発の海側で工事が進められている海底トンネルの掘削作業です。
福島第一原発の処理水について、政府と東京電力は来年春ごろ海に流す計画を進めています。
計画では、海水で薄めた処理水を深さ7メートルの水槽にため、そこで国の基準値の40分の1となる1リットルあたり1500ベクレル未満となっていることを確認したあと、深さ18メートルの立坑に移され、その後海底トンネルを通じて沖合1キロの海に放出する予定です。
8月4日から始まったトンネルの工事では、シールドマシンと呼ばれる機械で建屋側から海側へ向けて直径約3メートルの穴を掘り進めていて、現在は80メートルほど掘り進んだということです。
トンネルの周囲は厚さ18センチの鉄筋コンクリートで覆われているほか、コンクリートのつなぎ目にはゴム材が施されていて、処理水の漏水対策も取られているということです。
現在、1日6メートルほど掘り進めていますが、10月から2倍のペースで作業を行い、東京電力では来年春ごろの完成を目指すとしています。
一方、処理水の海洋放出について政府は、風評対策として今後、メディアを通じた情報発信の強化や現地での視察ツアーを開くなどして消費者に安全性を訴えるとしています。
海洋放出を巡って政府は「関係者の理解なしに海洋放出はしない」としていますが、漁業関係者の理解は進んでいないのが現状です。
【テレビユー福島】