原子力規制委員会は29日、次期委員長の山中伸介委員(元大阪大副学長)が7月7日に北陸電力志賀原発(石川県志賀町)を初めて視察すると発表した。活動性の有無が焦点になっている敷地内断層の試掘溝などを確認する。再稼働に向けた新規制基準適合性審査(安全審査)とは直接関係ないものの、審査が長期化する中、論点を整理する狙いがあるとみられる。
山中氏は9月21日で退任する更田豊志委員長の後任。トップ就任を見据え、訪れたことのない原発を中心に視察している。当日は審査中の2号機の原子炉建屋直下にある「S-4」断層の試掘溝をはじめ、重大事故時に出動する電源車や注水ポンプ車、1号機の中央制御室などを見学する。
今月7日には、志賀原発と同じく審査が長引いている北海道電力泊原発を訪れ、「(審査に)無駄な時間を費やしたくない。コミュニケーションを十分に図りたい」と語っている。
志賀原発2号機の審査を巡っては、規制委が敷地周辺の断層に関する会合を今夏に開いた上で、秋までに2度目の現地調査を実施する方針を決めている。【北日本新聞】