北海道電力が再稼働を目指す泊原子力発電所を、原子力規制委員会の山中伸介委員が7日視察し、先月の裁判でも津波対策が不十分だという指摘につながった防潮堤について「設置する方法や場所を見て論点がはっきりした」と述べ、現地での視察を今後の審査に生かしていく考えを示しました。
泊原発を訪れたのは原子力規制委員会の山中委員など4人で、再稼働の前提となる審査の焦点の一つ「防潮堤」を視察しました。
泊原発については、先月31日、裁判所から津波対策が不十分だとして運転しないよう命じる判決が出されていて、「防潮堤」の視察では、北海道電力の担当者が、これまでに設置したものを撤去していることや、液状化の影響を受けないよう岩盤に直接打ち込む工法で設けることなどを説明しました。
山中委員は「新たな防潮堤の設置方法や場所を現場で見て今後の論点がはっきりした。耐震設計の基準となる地震動や津波の大きさが決まってから審査会合で議論していきたい」と述べ、7日の現地視察を今後の審査に生かしていく考えを示しました。
北海道電力は泊原発について、再稼働の前提となる審査を2013年に申請していますが、現在も審査が続いています。【NHK】