岸田文雄首相は2日の衆院予算委員会で、小泉純一郎氏ら元首相5人が欧州連合(EU)欧州委員会に送った書簡に東京電力福島第1原発事故を巡る不適切な表現があったとして、注意を求める文書を山口壮環境相が5人宛てに出したと明らかにした。
書簡は1月27日付で、小泉氏のほか細川護熙、菅直人、鳩山由紀夫、村山富市各氏の連名。原発を地球温暖化対策に資する投資先として認定するとした欧州委の方針撤回を求めた。この中に福島で「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」との記載があった。
山口氏は1日に発出した文書で「誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念される。適切でない」と記した。
自民党の高市早苗政調会長は2日の記者会見で「誤った情報に基づき風評が広がると、生産者らの努力が水泡に帰しかねない」と述べ、元首相5人に抗議の意を示した。【共同通信】