東京電力福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」の取り出しに使われるロボットアームが31日、福島県楢葉町の施設に搬入されました。
福島第一原発の1号機から3号機の「燃料デブリ」の取り出しは、廃炉に向けた最大の難関とされ、東京電力と国は、年内にも調査が最も進んでいる2号機から着手する計画です。
「燃料デブリ」の取り出しに使われるロボットアームは、神戸市での性能試験を終え、31日にトラックで福島県楢葉町の施設に搬入されました。
アームは、伸ばすと長さが22メートル、重さがおよそ4.6トンあり、2月中旬から半年ほどをかけて、施設内にある原発の格納容器の内部を再現した設備で、作業員の操作訓練などを進めていく予定です。
一方、アームを開発したイギリスの技術者については、新型コロナウイルスの影響で来日のめどが立っておらず、リモートで技術指導を行うということです。
開発に携わった三菱重工業デコミプロジェクト室の神垣智基主席技師は「実際の作業は遠隔で現場には近づけないので、あらゆる想定をしながら、できるかぎりの検証をして問題がないようにしたい」と話していました。【NHK】