福島第一原子力発電所の廃炉に向けた作業のうち、最大の難関とされる溶け落ちた核燃料、いわゆる「燃料デブリ」の本格的な取り出しに向けて、東京電力は1号機の原子炉を覆う格納容器内部の調査を12日から始める予定でしたが、機器のトラブルがあり、開始を延期しました。
福島第一原発の1号機では、「燃料デブリ」の確認に向けて、異なる機能を持つ6種類のロボットを使い、水中にあるとみられる堆積物の厚みや分布状況を超音波で測定するほか、少量をサンプルとして採取する計画です。
東京電力によりますと、12日午後、1台目のロボットを投入し調査に入る予定でしたが、準備作業の段階で、ロボットに内蔵されている放射線量を測定する機器のデータが正確に表示されなかったほか、6台あるカメラのうち、1台で時刻の表示が止まるトラブルがあったということです。
先月中旬の動作確認では異常はなかったということで、東京電力は原因を究明し、対策をとったうえで調査を始めるとしていますが、現段階で開始時期は決まっていないということです。
福島第一原発では、これまでの調査で「燃料デブリ」とみられる堆積物が2号機と3号機で確認された一方、1号機ではまだ確認されていません。
また、1号機の格納容器内部の調査は当初、2019年度に始める計画でしたが、事前の準備に時間がかかり延期されていました。【NHK】