九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の安全性を検証する県専門委員会が23日、鹿児島市であり原子力政策に批判的な専門家を含む4人を分科会の特別委員で追加した。九電は20年運転延長を見据えた特別点検を実施中で、既存の委員12人のうち2人と特別委員の計6人で分科会を新設し原子炉の安全性などを検証。原子力規制委による運転延長の可否判断前に検証結果をまとめる。
特別委員は、大畑充大阪大大学院教授▽橘高義典東京都立大大学院教授▽元東芝原発設計技術者の後藤政志星槎大非常勤講師▽渡辺英雄九州大准教授――の4人で、材料工学やプラントなどの専門家。
経済産業省出身の塩田康一知事は知事選公約で、厳しい視点で検証するため県専門委に原子力政策に批判的な委員を加えると掲げて当選した。塩田知事は報道陣に「運転延長申請するかは九電が決めるが、先取りする形で検証を進めていただきたい」と話した。特別委員のうち複数が過去の発言などから批判的だとするが、具体的には明らかにしなかった。分科会初会合は年明けに開かれる見通し。
委員候補者案を知事に提出していた脱原発を訴える平良行雄県議(共産)は「推薦した中で特別委員に入ったのは後藤さんだけ。他は推し量れない」と話した。【毎日新聞】