原発を持つ関西電力と、原発地元の実力者だった福井県高浜町の元助役。関電関係者らへの取材で、大阪地検が捜査した金品受領問題以外にも、両者のつながりが浮かんだ。関電の原発工事を受注した元助役関連会社がトラブルを起こして工事費が上がり、増額分を関電が自ら負担していた。
この工事は関電の高浜原発(高浜町)、大飯原発(同県おおい町)のテロ対策施設の敷地造成などで出た残土の処分。同施設は東京電力福島第一原発事故後にできた新規制基準の下で再稼働に必要となったもので、関電によると残土は2013~20年、両原発で計約220万立方メートル生じた。
関電関係者によると、関電は高浜原発の残土処分を準大手ゼネコンに発注し、ゼネコンは高浜町の土木建築会社「吉田開発」に下請けに出した。ゼネコンへの発注額は残土1立方メートル当たり2500円。吉田開発は、森山栄治・元町助役(19年に死去)が経営に関与していた。
高浜町によると、吉田開発が14年、残土を町内の山中に投棄していたことが発覚し、近隣住民とトラブルになって搬入をやめた。
【朝日新聞】