関西電力から8月10日、福井県に入った連絡によると、営業運転中の大飯原発3号機(福井県おおい町、加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)の循環水ポンプの配管の海水漏れについて、関電は同日、原因と対策をまとめた報告書を原子力規制委員会に提出した。雨水が配管に長年垂れ続け、腐食が進み直径約4センチの穴が開いたと推定。関電は対策を施し、11日から出力100%の「定格熱出力一定運転」に戻す予定。
循環水ポンプは2台あり、発電タービンを回した蒸気を冷やして水に戻す復水器に海水を送り込む設備。4日に空気抜き弁付近の接続配管(直径約17センチ、長さ約13センチ、厚さ約7ミリ)で海水漏れを確認し、運転出力を65%に下げた。
配管はタービン建屋地下1階にあり、換気ダクトを伝って雨水が落ち、塗装がはがれ全体的に減肉が進んでいた。定期検査で目視点検の対象とされているが、関電は「床面から約35センチの低い位置にあり、死角になっていた」とした。
空気抜き弁は約20年前から使っていないため、撤去して配管を直径90センチのマンホールふたに取り換えてふさぐ。関電は美浜、大飯、高浜の全原発で視認しづらい部分の外観点検を行い、問題はなかったとした。【福井新聞】