東京電力は30日、消火用の水を通す配管の溶接工事に不備があった柏崎刈羽原発(新潟県)の6号機で、不備が30カ所あったと発表した。ただ、約3200カ所の溶接部分のうち、調査できたのは約600カ所にとどまっており、不備は今後増える可能性がある。不備があった30カ所では溶接をやり直す。7号機でも不備がないか確認している。
東電は「消火配管で不適切な溶接がされている」という連絡を受け、調査していた。これまでに、6号機の消火設備用の配管30カ所で酸化防止の対策をせずに溶接されていたのを確認した。7号機でも配管の溶接工事は約3900カ所に上り、うち200カ所を調べたが不備は見つかっていない。
柏崎刈羽原発の安全対策工事を巡っては、東電は1月に原子力規制委員会の安全審査を通過した7号機について「国の新規制基準に基づく安全対策工事が完了した」と発表した。ところがその後、火災感知器の設置や空調関連の設備など計89カ所で工事が適切に実施されていなかったことが判明している。テロ対策の不備も含めると、問題が底なしの様相を見せている。【毎日新聞】