関西電力は3日夜、大飯原発3号機(福井県おおい町)の原子炉を起動し、運転を再開した。昨年7月の定期検査入り後、配管の傷が見つかったため長期停止しており、約1年ぶりの運転再開。5日に発送電を再開し、30日から営業運転に入る予定。
福井県内では、運転開始から40年を超えて再稼働した美浜3号機(美浜町)のほか、高浜3、4号機(高浜町)と大飯4号機の関電の3原発4基が稼働している。5基が同時に稼働するのは2011年以来約10年ぶりで、東京電力福島第一原発事故後に制定された新規制基準下では初めて。
大飯3号機は当初、昨年9月に運転再開の予定だったが、蒸気発生器周辺の配管に傷があることが判明。配管の交換工事などで検査期間が延びた。
大飯3、4号機を巡っては、大阪地裁が20年12月、耐震設計の目安となる基準地震動について原子力規制委員会の審査に不備があったとして、規制委の設置許可を取り消す判決を出した。国が控訴し、大阪高裁で裁判が続いている。【東京新聞】