関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、同県などの住民が原子力規制委員会による設置変更許可処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が8日、大阪高裁(大島真一裁判長)で開かれた。国側は、許可を取り消した一審判決について、「前提事実に明らかな誤認がある」と主張。原告側は控訴棄却などを求めた。
出廷した原告の石地優さん(68)は「基準を超える地震が襲い、原発事故で故郷を追われるようなことがあってはならない」と意見陳述した。
大阪地裁は昨年12月の判決で、規制委は地震規模を想定する際、平均値より大きくなる「ばらつき」を考慮しなかったなどと指摘。「看過しがたい過誤がある」と述べ、許可を違法と判断した。
控訴審で国側は「断層の位置などで不確かさを十分に考慮している」と主張。原告側は「ばらつきを考慮しなくていい理由にはならない」などと反論した。
設置変更許可の効力は、取り消し判決が確定するまで停止せず、関電は1月に4号機の運転を再開。7月に3号機の再稼働を予定している。
【時事通信】