福島第一原発の処理水について、政府が海に放出する方針を決めてから13日で1か月です。決定の後、福島県の内堀知事は大臣に県の意見を伝えましたが、このやりとりの一部について、県が公文書を作成していなかったことがわかりました。福島第一原発の処理水について、政府が海洋放出の方針を決めた2日後、内堀知事は梶山経産大臣のもとを訪れ、県としての考えを申し入れました。会談は冒頭以外は非公開で行われ、テレビユー福島では会談の復命書と録音データを情報公開請求しました。復命書は、出張した際に、その内容について報告するもので、県では通常、1週間以内に作成されます。公開された復命書には、会談の冒頭部分などについては、ほぼ全文の記載がありましたが、非公開の部分については一切ありませんでした。これについて県の原子力安全対策課は「非公開の部分は組織的に共有していない。内容についても整理できていない」としています。整理されないまま出張の報告がされたことになりますが、原子力安全対策課は「今後、整理されても復命書に加えることはない」と回答し、その理由については明らかにしませんでした。また録音データについては「担当の職員がメディアとともに退出したため保有していない」としました。海洋放出をめぐる県の意見が政府に伝えられた際の公文書が不完全な形となっていることで、今後の交渉や検証に影響を与える可能性もあります。【テレビユー福島】