福井県の原子力安全専門委員会は4月9日、県庁で会合を開き、運転開始から40年を超える美浜原発3号機と高浜原発1、2号機について、関西電力が実施したハード、ソフト両面の安全対策は評価できるとする報告書案を大筋で了承した。今後の対応を一任された鞍谷文保委員長(福井大学教授)は、文言の微修正などを行った上で、正式な報告書を杉本達治知事に提出する。
3基の再稼働を巡っては、国と関電が県に協力を要請しており、知事と県会の同意を得られるかが焦点となっている。知事は専門委の報告を判断材料の一つにする考えを示している。
専門委は2016年から3基の安全対策を検証し、今年3月に現地視察を行った。報告書案では、重大事故が起きたときの対策として、電源や冷却機能の確保などのハード面と事故制圧に向けた初動対応といったソフト面において、「継続的な安全性向上を図っている」と結論づけた。40年超原発特有の高経年化や9年以上停止していることへの対策も確認した。
鞍谷委員長は会合後、報道陣に「現状で想定される事態に対し、安全性が向上する対策が講じられている」と述べた。知事への報告書の提出時期は明言しなかった。
【福井新聞】