四国電力は31日、伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)について10月26日に再稼働を目指す計画を発表した。広島高裁が3月18日、運転差し止めの仮処分決定を取り消したのを受け、再稼働時期を精査していた。同時に、安全確保を前提にした原発の利用などを柱にした2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)への挑戦も公表した。
伊方3号機について、原子炉を10月26日に起動させて31日に送電を開始し、11月26日に営業運転を始める計画だ。再稼働の前提となるテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」は10月末に竣工する予定だ。長井啓介社長が記者会見で「安全が最も重要。それにあわせてスケジュールも精査していく」と話した。
同日、四国電力グループの2021~25年度中期経営計画と、2050年にカーボンニュートラルをめざすことを発表した。30年度の二酸化炭素排出量を13年度比で半減させ、50年度には実質ゼロにする。原子力発電所の活用や、効率の良い石炭火力発電所への切り替えを進めていく。
【日本経済新聞】