使用済みの核燃料から取り出したプルトニウムを使って、新しい核燃料を作る国内初の商業用の核燃料工場について、原子力規制委員会の更田委員長は、安全性などを確認する審査が終盤を迎え、今後、事実上の合格を示す審査書案の取りまとめに入る考えを示しました。工場は再来年度の完成を目指しています。
青森県六ヶ所村に建設中の核燃料工場は、原子力発電所の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを使って、MOX燃料と呼ばれる核燃料を作る国内初の商業用の工場です。
核燃料の再利用を進める国の核燃料サイクル政策の重要な施設で、事業者の日本原燃は6年前に規制基準に適合しているかをみる、原子力規制委員会の審査に申請していました。
これまでに施設の耐震性や、火災対策などの検討が行われ、2日、規制委員会の更田豊志委員長は会見で「大きな論点は残っていない」と述べ、審査は終盤で今後事実上の合格を示す審査書案の取りまとめに入る考えを明らかにしました。
工場の総事業費は2兆円余りで、日本原燃は再来年度上期の完成を目指しています。
核燃料サイクル政策をめぐっては、ことし7月には使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す、再処理工場が審査に合格するなど主要な施設の手続きが進んでいます。
しかし、政策の実現に向けては巨額の費用がかかるなど多くの課題があります。【NHK】