新型コロナウイルス流行下での関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町)と高浜原発4号機(同県高浜町)の同時事故を想定した福井県原子力防災訓練は8月27日、おおい町などで行われた。新型コロナ対策と広域避難を並行した訓練は全国初で、住民らは感染予防をしながら敦賀市までバスで移動した。
若狭湾沖を震源とする地震で両原発が被災したとの想定で行った。新型コロナの感染リスク回避で参加住民はおおい町の約50人に限定。内閣府や自衛隊、県、市町、警察など約40機関から300人が参加した。
大飯原発から半径5キロ圏内の一時集合施設「はまかぜ交流センター」では受付で体温を測り、感染が疑われた役の人は間仕切りの右側、平熱の人は左側の通路に分かれて避難した。
敦賀市への広域避難には27人が参加。間隔を空けて座るなどの対策のためバス4台を準備し、感染が疑われる役の人が乗ったバスはウイルスの付着を防ぐため座席をビニールで覆い、運転手や補助員も防護服とゴーグルで感染防止を図った。
両原発地域の広域避難計画には7月末、新型コロナ対策と同時事故の対応が加わった。同時事故の想定は2018年の国の訓練以来で、両原発周辺にある2カ所の事故対応拠点「オフサイトセンター(OFC)」を大飯に一元化する手順を確認した。このほか敦賀市総合運動公園体育館で、県職員や原発事業者らを対象に感染防止に配慮したスクリーニングや簡易除染の訓練もあった。【福井新聞】