新潟県内全30市町村でつくる「原子力安全対策に関する研究会」(事務局・長岡市)は21日、原子力防災に関するオンライン会合を開いた。東京電力柏崎刈羽原発の事故時に住民が避難する際の新型コロナウイルス感染予防対策などについて議論し、課題を指摘する声が相次いだ。
会合は原発の安全対策や事故時の防災対策を学び、市町村の声を国や県、事業者に伝えることを目的に、2016年から毎年開催している。この日は、22市町村と国、県などから約60人が参加した。
内閣府は、新型ウイルス流行下の避難について6月に示した指針を説明。自宅などで屋内退避する際は、被ばくを避けることを優先して原則、換気を行わないなどとした上で「放射線防護措置と、感染症の防止対策を両立させて万全を期すという考え方だ」と強調した。
市町村からは「密を避けようとすれば、避難所の収容力不足や、避難バスの必要数など課題が想定される」(上越市)、「屋内退避時に換気できないと、大人数が避難する際に感染症のリスクがある」(出雲崎町)などの声が上がった。
長岡市原子力安全対策室の五百川正敏・原子力安全対策担当課長は「原子力災害の避難対応は特殊だ。ウイルス流行下の避難も含め、今後も国、県に情報を求め、引き続き対応を研究したい」と話した。
【新潟日報】