東北電力女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働を巡り、女川町議会は19日、再稼働に賛成する地元商工会などの陳情4件を採択した。町議会が事実上、再稼働を容認した形となる。立地自治体の議会が再稼働の是非について立場を示したのは初めて。
町議会の原発対策特別委員会が採択した。再稼働に反対する請願2件についてはいずれも採択しなかった。町議会が再稼働に賛成する姿勢を示したことで、今後、町の須田善明町長や村井嘉浩知事の対応が焦点となる。
須田町長は陳情の採択後、「あくまで委員会の結果なので、今後本会議での審議を注視したい」とコメントした。一方、村井知事は記者団に対し「(特別委の採択が)実質的には町議会の意思と受け止めていいと思う」と踏み込んだ。
再稼働には立地自治体の同意が必要となるが、最終的には村井知事が再稼働について判断する。村井知事は「9月議会の動向を見定め、その後に市町村長と話し合う」とし、再稼働の是非については言及しなかった。
【日本経済新聞】