関西電力は28日、取締役会を開き、筆頭株主である大阪市が求めていた橋下徹氏の社外取締役への起用を拒否することを決めました。
特定の政党と関係が深いことなどから公益性の高い関西電力の社外取締役には適任ではないと説明しています。
関西電力は経営幹部らによる巨額の金品受領問題を受けて大阪市の松井市長から元大阪市長の橋下徹氏を社外取締役に起用するよう求められていました。
定例の記者会見を開いた関西電力の森本孝社長は28日の取締役会で大阪市の提案の拒否を決めたことを明らかにしました。
その理由について▼橋下氏が大阪市長を4年務め、筆頭株主である大阪市と関係が深く、ほかの少数株主などの意見を反映しにくいこと、▼特定の政党である大阪維新の会と関係が深く、政治的な発信を積極的に行っていて公益性の高い関西電力の社外取締役には適任ではないとしています。
一方、関西電力は旧新日鉄住金の社長を務めた友野宏氏など7人を社外取締役候補として決めました。
すでに会長に内定している経団連の会長などを務めた榊原定征氏とともに6月25日の株主総会で正式に決定する見通しです。
【大阪市長“株主訴訟近く判断”】。
関西電力の社外取締役に橋下徹氏を推薦した、筆頭株主の大阪市の松井市長は、記者団に対し、「社の体質を変えようという姿勢は上っ面だけで、世の中が一連の不祥事を忘れるのを待ち、反感を買わないよう演技しているのがいまの関西電力だ」と述べ、関西電力の対応を強く批判しました。
そのうえで、「役員の報酬やさまざまな手当など、経営の透明性を徹底して求めていく。すべてをあからさまにしてもらわないと、株主、ユーザーともに納得しない。株主代表訴訟を視野に検討しているところで、連休中には判断したい」と述べ、株主代表訴訟に踏み切るか近く判断する考えを示しました。【NHK】