原子力規制委員会の更田豊志委員長は22日の記者会見で、東京電力ホールディングスが提出した柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の保安規定変更案について「規制委が示した項目のおうむ返し。不十分だ」と話した。規制委が保安規定を認可しなければ再稼働はできないため、東電は修正を迫られる可能性が高い。
更田委員長は「(福島第1原発)事故の当事者としての責任の重さを自らの言葉で書いてほしかった」との不満も述べた。柏崎刈羽6、7号機は2017年12月に再稼働の前提となる規制委の安全審査に合格した。再稼働には保安規定の変更認可など残りの規制手続きと地元自治体の同意が必要となる。
東電は20年3月30日、原発の管理ルールなどを定めた保安規定の変更認可を申請した。規制委は安全審査の際に、福島第1事故を起こした東電の原発運営者としての適格性も重視した。当時、東電に対して「福島第1廃炉をやり抜く覚悟」「経済性よりも安全性追求を優先」などの7項目を提示し、保安規定に盛り込むことを約束させていた。【日本経済新聞】