9年前に事故を起こした東京電力・福島第一原子力発電所の港の内側と外側の海水の放射性セシウムの濃度について、事故直後は、高い所で1リットル当たり60万ベクレルを超える場所もありましたが、その後、大幅に下がり、先月時点ではいずれの場所でも国の基準を下回っています。
東京電力は現在、福島第一原発の港の内側の9か所と、港の外側の沖合1キロの範囲内の8か所の合わせて17か所で、放射性物質の濃度を測定し公表しています。
このうち放射性物質の量が半分になる「半減期」が、30年と比較的長い放射性セシウム137で見た場合、事故直後は、高濃度の汚染水が流出した影響で、高い所では1リットル当たり60万ベクレルを超える場所もありました。
しかし、その後9年の間に大幅に下がり、先月の時点では、港の内側のすべての測定か所で国の基準の1リットル当たり90ベクレルを下回っています。
また、港の外側では、ほとんどが測定装置で検出ができる限界の値を下回っていて、検出された場合でも1リットル当たり1ベクレルほどと、国の基準を大幅に下回っています。
東京電力は、平成27年に汚染水が海に流れ出ないよう敷地の海側に壁を設けていて、その後、濃度の低下が見られたとしています。【NHK】