東北電力女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機(出力82万5000キロワット)が原子力規制委員会の安全審査に合格したことを受け、資源エネルギー庁の高橋泰三長官は2日、宮城県の村井嘉浩知事に対し、再稼働に向けた同意要請をした。運転停止から9年を前に、再稼働手続きが本格的に始まった。
高橋長官は同日、県庁を訪れ、村井知事に梶山弘志経済産業相名の文書を手渡した。高橋長官は「これまでの政府の方針通り再稼働を進めていく」と語った。村井知事は「安全最優先が大前提で、現時点で判断は白紙」と述べた。
同意要請に先立ち、梶山経産相は2月27日、村井知事に電話で、国として女川2号機の再稼働を目指す意向を伝えた。梶山経産相は同28日の記者会見で、女川町の須田善明町長と石巻市の亀山紘市長にも電話したことを明らかにした。高橋長官が村井知事と面会したことにより、国は正式に同意要請をしたことになる。
村井知事は国の要請を受け、原発立地自治体や県内の市町村長、県議会などの意見を踏まえて再稼働の是非を判断する。村井知事は毎年5月に県内首長が一堂に会す「県市町村長会議」や6月議会で意見を聞くとみられる。【日本経済新聞】