東北電力は女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)について定期検査の間隔を現行の13カ月から延ばす「長期サイクル運転」を導入する方向で検討に入った。両原発の再稼働を見据え、稼働率を高める狙いだ。
東北電は4日、原子力規制委員会の臨時会議で長期サイクル運転の検討について説明した。原発は一定期間の稼働後、定検を受けることが義務付けられている。定検に入るまでの期間を延長できれば、原発をより長く運転できるようになる。
東北電は2010年、東通原発の定検終了後の連続運転期間を13カ月から16カ月に延長するよう、経済産業省原子力安全・保安院(当時)に申請したが、東日本大震災を受けて取りやめた経緯がある。東北電の原田宏哉社長は臨時会議後、「16カ月運転はプラントの中で1番若い東通で検討していた」と話した。
東北電で原子力本部長を兼務する増子次郎副社長は「(長期サイクル運転は)女川も含めて検討したい」と女川原発の長期サイクル運転にも言及した。女川2号機は2月中にも規制委の審査に正式合格する見込みで、長期サイクル運転の導入は女川原発で議論が始まる可能性がある。
規制委の更田豊志委員長は5日の記者会見で、長期サイクル運転について「安全上の観点からどちらが望ましいというものではない。推奨もしないし、避けなければならないとも思わない」と語った。
【日本経済新聞】