先月から定期検査が行われている愛媛県伊方町の伊方原発3号機では、今月に入って原子炉の核分裂反応を抑える制御棒を誤って引き抜いたほか、設備の点検中に、一時すべての電源を失うなどのトラブルが相次いで起きています。
これについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、29日の記者会見で「それぞれのトラブルが、本来すべきことがなされずに起きたのか、偶発的な機器の故障によるものなのか、調べないといけない」と述べ、今後、四国電力の調査結果について、公開の場で議論していく考えを示しました。
そして、こうしたトラブルの背景について「現場の作業員の士気や、協力会社との連携の問題などがあると思う。四国電力にとって伊方原発3号機は唯一の原発であり、現場の経験や感覚などを身につけることが相対的に難しいこともあるだろう」と述べました。
そのうえで、現場の状況を確認するため、愛媛県に常駐する原子力規制庁の検査官に対して、聞き取りを行うことを検討していることも明らかにしました。【NHK】