関西電力は26日、福井県の美浜、大飯、高浜の3原子力発電所に降ると予想される火山灰の量を見直した原子炉設置変更許可申請をしたと発表した。鳥取県の大山の噴火による火山灰の噴出規模を5立方キロメートルから11立方キロメートルに見直したが、3原発とも既存の建屋で重量に耐えられるとし、設備などに変更はない。
当初は3原発とも最大10センチの降灰を見積もっていたが、地質調査やシミュレーションをやり直した結果、美浜で最大15センチ、高浜で25センチ、大飯で22センチに変更した。大山については地質調査などで当初の想定より大きな噴火があった可能性があるとして、6月に原子力規制委員会から変更許可の申請命令が出ていた。
関西電力は同日、高浜原発で警報が出ずに襲来する可能性のある津波について設置変更許可申請した。高浜原発が立地する若狭湾沖の隠岐トラフ海底地滑りを想定。潮位計で異常を感知した場合に警報がなくても防潮ゲートを閉める運用を追加した。
高浜の全4基は警報が出ることを前提とした津波対策で妥当とされていたが、18年12月にインドネシアで発生した津波で警報が作動しなかったことから、追加対策が必要と判断されていた。【日本経済新聞】