東京電力福島第一原発事故の避難者への住宅提供打ち切りや提訴への動きが続くなか、「さようなら原発全国集会」が16日、渋谷区の代々木公園で開かれた。約8千人(主催者発表)が参加して、「住宅追い出し、今すぐやめろ」などとデモ行進で訴えた。
福島県は避難者の住宅提供を段階的に打ち切り、新たな契約をしないまま江東区の国家公務員宿舎に住み続ける5世帯に、明け渡しと賃料支払いを求めて提訴する方針を決めている。
集会では、福島県から都内に避難している熊本美彌子さん(避難の協同センター)が「県は、避難生活の中で障害者手帳を取得した人を訴えようとしている。子ども・被災者支援法には住宅確保は国の責務と書いてある」と支援を求めた。呼びかけ人の一人でルポライターの鎌田慧さんは「原発は人の尊厳を壊す存在。一人ひとりが立ち上がろう」と訴えた。
参加した国分寺市の山崎展(のぼる)さんは「原発事故の問題は、避難者や汚染された廃棄物処理などますます広がり、深くなっている」と話していた。
住宅問題について、10月26日午後6時半から、文京区民センターで集会が行われる。参加費500円。【朝日新聞】