フランス原子力・代替エネルギー庁は30日、声明を発表し、「短・中期的に原子炉建設の計画はなく、今世紀後半よりも前に新世代の原子炉が実現する見通しはもはやない」と指摘しました。来年以降に研究継続するための改定した計画をフランス政府に提案するとはしているものの、高速炉実証炉「ASTRID」の計画が事実上、中止される可能性が出てきています。ルモンド紙もフランス側が開発計画を停止すると報じています。
「ASTRID」は2016年に、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決まって以降、使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの柱と位置付けられているものです。フランス政府はこれまでも、建設コストを理由に高速炉の規模を縮小してきましたが、開発計画中止となれば、日本の原子力政策にとって大きな打撃になります。【MBS】