東京電力は福島第一原子力発電所の1号機で、7月中旬にも、原子炉格納容器の上部にあるフタの隙間に調査ロボットを投入し、破損したフタ部分の詳細な状況や放射性物質による汚染の調査を行う。2023年度にも予定している使用済み燃料プールからの燃料取り出し開始に向け、作業しやすい環境を整える。
原子炉格納容器の上には、放射線を遮蔽しゃへいするため、「ウェルプラグ」と呼ばれるコンクリート製のフタが3重に取り付けられているが、2011年の事故に伴う水素爆発の衝撃のため、破損したり、ずれて隙間ができたりしている。現状では、プールからの燃料取り出し作業の際に、強い放射線や不安定な足場が障害になるため、詳細な状況を調査し、撤去や遮蔽を含めて対応を検討する。
調査では、ロボット2台を隙間から入れ、3層構造の内部を走行させる。カメラをつり下げて周辺の撮影や放射線量の測定などを行う。調査結果は9月に出る見込み。【読売新聞】