東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働中止を求め、宮城県内の市民団体などが署名活動を展開している。再稼働を巡る県の判断が決まる前に、県議会に請願する。団体側は「請願が採択されれば再稼働を止める力を持つ。多くの意思を県政に届け、県民の命や安全を守りたい」と訴える。
活動するのは原発問題住民運動県連絡センター、女川原発UPZ住民の会など。5日は約20人が仙台市青葉区一番町の街頭で通行人らに署名を呼び掛けた。署名した女川町出身のみやぎ食育コーディネーター天野美知子さん(71)=青葉区=は「女川原発で重大事故が起きれば世界にも影響が及ぶ」と話した。
請願には、再稼働の是非判断に際して立地自治体だけでなく原発30キロ圏5市町の同意を前提とすることや、原発からの撤退を政府に求めることも盛り込む。
団体側は2012年から再稼働中止を求める署名活動に取り組み、既に12万筆超を村井嘉浩知事に提出。県議会への請願に向けては18年2月から1000筆以上を集めた。同センターの小林立雄代表委員(70)は「エネルギーの問題ではなく命に関わる問題だ」と強調。今後も引き続き街頭などで呼び掛けを行う。【河北新報】