原発の設備利用率46・4% 18年度、福島事故以降最高値
県は九日、二〇一八年度の県内原発の運転実績を発表した。廃炉作業中などを除く八基が対象で、このうち関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)が本格的に運転を再開し、稼働原発が四基になったことから、設備利用率は前年度より30・5ポイント増の46・4%に上昇した。東京電力福島第一原発事故後の一一年度以降で最も高い。
設備利用率は、一年間に全原発で発電可能な電力量に対して実際に発電できた電力量の割合にあたる。一八年度は昨年三月に再稼働した大飯3号機がトラブルなく一年間にわたって運転を継続。五月に再稼働した大飯4号機も営業運転に入り、再稼働済みの高浜3、4号機(高浜町)も途中約三カ月の定期検査を除いて運転した。
四基による発電量は三百十四億八千万キロワット時。関電の近年の実績を元にすれば、電力の四分の一ほどを原発で供給したとみられる。関電の担当者は「一六年度に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量の25%を削減できた」と説明した。
一方で安全協定に基づく異常事象の報告は六件で、前年度から二件増。うち五件が関電で、昨年八月に定期検査中の高浜4号機で、非常用ポンプの油漏れや原子炉容器付近からの蒸気漏れが相次いだ。県原子力安全対策課の担当者は「定期検査中の安全管理体制に気掛かりな面もあり、注視していく」と話した。
◆大飯3号機、11日から定期検査 6月下旬再稼働予定
関西電力大飯原発3号機(おおい町)は十一日から、約三カ月間の定期検査に入る。六月下旬に再稼働し、七月中旬に営業運転に移行する予定。関電によると、計器用の電源装置を入れ替えるほか、放射性物質を含まない二次系配管のうち、減肉傾向が確認された五十五カ所をステンレス鋼などの配管に取り換える。百九十三体ある燃料集合体のうち、六十四体を交換する。
【中日新聞】