英国訪問中の安倍晋三首相は十日、ロンドンでメイ首相と会談した後に記者会見し、日立製作所が出資金不足を理由に、英国での原発新設計画を凍結する方向で調整していることについて「両国にとって戦略的に重要なプロジェクトだが、日立など関係者による議論が行われており、その検討を待ちたい」と述べた。メイ氏との会談では計画凍結については「議論していない」と説明。メイ氏は会見で計画の今後について「企業の営利的な判断になるだろう」と指摘した。
日立と英政府は二〇二〇年代前半の運転開始を目指し、英中西部アングルシー島で原発二基の新設を計画。総事業費が当初予定を大きく上回る三兆円規模に膨らみ、日本の電力会社などとの出資交渉が難航しているとされる。日立の中西宏明会長は昨年十二月、計画について「(今の枠組みでは)もう限界だと英政府に伝えた」と述べていた。【東京新聞】